人里離れて自分の中の本物を追い求め続け、創作に人生を賭けたある一人の男はとても不思議な男だった。

 

彼は自分の作品を見せるのも聞かすのも、そのことについて話すのも嫌がった、

 

口癖は、「難しい」「まだ終らない」、、、、

 

そして月日は過ぎ去り、そのうちに周囲の人は、彼が何かを創作しているということさえもを忘れてしまった。

 

やがて、作品は誰の目に触れることなく、彼はこの世を去ることになった。

 

一人死んでいった芸術家。

 

しかし、死んだのは肉体だけだった。

 

死ぬことのなかった魂は、彷徨い、気まぐれに僕の肉体を借り、再度この世を生きることになった。

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

そのせいなのか、気づいたときには僕は絶望の中にいた。

 

「何もつくれないとはこういうことか」と、憂鬱な午後の日差しの中、僕の過去と現在はねじられた腕のように痛く結ばれていた。

 

僕は公園を散歩し、樹々の美しさに心奪われつつ、僕にとってこの自然は、教師であり医者なのだと、自然と溶けあうように身

 

と心を一つにし、常に移り変わるが決して変わることのない真実を見つけようとしていた。

 

その時だ、突然目をやった樹の上の方から、「パタパタパタパッタ」という音が聞こえ、大きな鳥が叫びながら飛びたっていった。

 

そのとき僕は特別なビジョンを視た。飛び立つ姿、羽ばたく音、樹々のざわめき、強い日差し、その光が照らしだす葉の色、そ

 

れは一つの分割できない瞬間として、僕の中に古代から眠っている魂の記憶かのごとく、それはどこまでも普遍的なイメージ

 

で、決して失われることのない永遠のフォルムのようなものに感じとれたのだ。

 

 

僕は目を閉じた。

 

死なないもの、滅ぶもの、普遍なもの、、、、

 

そして僕は思った。

 

目を閉じても、目の前になくても、確かに残るもの、聞くことなくても、はっきりとそこに何かがあるもの、、、

 

そんな作品を残したいと。

 

 

---------------------------------------そして長い月日を経て、僕はいくつかの作品を書上げた-------------------------------------

 

 

 

 

続く、、、